deep sea fish

Ahn Taewon
JAN 25, 2025 - APR 16, 2025
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DIESEL ART GALLERY(ディーゼル・アート・ギャラリー)では、2024年5月18日(土)から7月3日(水)まで、アーティスト水戸部七絵(ミトべ・ナナエ)による個展「People Have The Power」を開催します。


「People Have The Power」は、ロックスターやミュージシャンをモチーフとした作品群を展示する水戸部七絵の人気シリーズの第5弾となります。これまでに「Rock is Dead」、「War is not over」、「Let’s Have a Dream!」、「Sit-In」と題した展示を開催し、ロックの象徴や音楽の力に焦点を当てた作品を発表してきました。


「People Have The Power」は、個々の人々が持つ力や、集団としての力、アートや音楽が社会変革に果たす役割など、鑑賞者に深い思考を促す機会を与えるでしょう。


本展覧会では新作の展示・販売をはじめ、DIESELとコラボレーションによるTシャツや関連グッズも販売します。


CONCEPT 

この世を去ったスターたちは、時代が変わるごとにニュースや社会的問題に取り上げられ、再考察されます。これまで絶対的、または普遍的なものであった権威や常識、定説までもが変わるのです。BLM以降、ジェンダーや様々な人種、植民地の歴史など、マイノリティ間の構造は、ポートレートを常に描いてきた水戸部にとって、重要なトピックとなります。


「People Have The Power」では、ベトナム反戦や黒人差別、世間の偏見と戦った人物や、平和を求める活動に大きな足跡を残した人々が登場します。こうした戦う人々を描いた作品の多くは、実際に直接対象となる顔を見て描いたのではなく、メディアに登場するスターや著名人のイメージを間接的に描写したものです。そのため、雑誌の表紙やレコード・ジャケットのような、メディア経由の複製物としてのモチーフが描かれています。


会場は闘いや情熱を表す赤色で構成され、水戸部が直接的に「落書き的」なペインティングを施し、空間全体が渋谷のストリート・カルチャーと交差するように演出されています。


音楽とアートによる非暴力的な戦いを表現したDJブースによるインスタレーション作品は、レコードや楽器が散乱し、まるで喧嘩や抗争の場面を想起させます。時に悲惨な状況を伝えるものでもありますが、抵抗する人々の側に立つポジティブなメッセージとなり得ます。


「見る」という行為を再定義する

アン・テウォン日本初個展「deep sea fish」開催



DIESEL ART GALLERY (ディーゼル・アート・ギャラリー) では、2025年1月25日(土)から4月16日(水)まで、韓国・ソウルを拠点に活動しているアーティストAhn Taewon (アン・テウォン) による日本では初の個展となる「deep sea fish」(ディープ・シー・フィッシュ) を日本橋馬喰町のギャラリー・CON_のキュレーションにより開催します。


ソウルを拠点に活動するアン・テウォンは、画像の形式で流通するミームをモチーフに、3Dモデルを奇妙に歪ませることで、現実と仮想の中間物のような絵画作品と彫刻作品を制作してきました。SNSやインターネットによって発達した新しい視覚言語、画像処理におけるエラーなどを反映させた作品は、猫のシリーズに見られるように、それ自体がふたたびミームとなって流通するポテンシャルを秘めています。近年は、2024年「PPURI」(P21)、2023年「Liminal Room」(Plan X Gallery)、2022年「Postmodern Children」(釜山現代美術館)など、精力的に作品を発表してきました。


本展「deep sea fish」では、極限の環境に適応する過程で目の機能が退化した深海魚と、PCやスマートフォンの画面を日々眺める現代の人間たちを重ね、「見る」という行為の概念が以前とは様変わりしたことを示します。一点透視図法的な合理性とは別の、徹底的に平面で、理解不能なシステムから顔をのぞかせる存在は、われわれから見ると歪んで見えます。それは目の機能的な誤謬とも認識的な誤謬とも言え、二次元と三次元、仮想と現実を区別できない新たな環境を生きていることに気づかされます。もし懐かしい過去に戻りたいのであれば、デバイスの電源をオフにすることをおすすめします。真っ暗な画面に浮かび上がる顔が、現実を知らせてくれるでしょう。


本展覧会では新作の展示・販売をはじめ展覧会のために作られた限定グッズや、DIESELとコラボレーションによるTシャツも販売します。

STATEMENT


メディアに浸る


アン・ホソン


メディアに包まれていることから目覚めるような欲望がある。例えば、最新の技術を導入したゲームを探してインターネットを巡るような人は、グラフィックの良さや現実の再現度からそのゲームの素晴らしさを評価しがちである。しかし、より正確に言えば、その人はゲームがもたらす「没入感」(immersiveness)からそのゲームを評価するのであり、高水準のグラフィックや現実の厳密な再現から由来する「経験の生々しさ」(vividness of experience)こそ、その没入感の源であると考えるのである。


メディア理論家ジェイ・デイヴィッド・ボルターとリチャード・アーサー・グルーシンは、私たちが「即時性への欲望」(desire for immediacy)を持っていると言う。私たちは、メディアを介して私たちに表象されるモノたちがメディアを介したという事実を忘れるために、メディアそれ自体を省こうとする。何を覚え、何を忘れるか、何を経験の中に含め、何を経験から排除するか、私は常に選択しているのである。もしくは、私は常に選択を強いられている。メディアという枠組みを視野から除くことによって、表象されるモノの現前の中に私たちは置かれ、それが表象ではなく実際のそのモノかのようにそれを扱う。まるで、それが偽物だということを忘れてでも本物というものを強迫的に追い求めているように見えるくらいだ。そして、その本物といものを、私たちはモノの現前から見出そうとしているのではないだろうか。


ドイツの哲学者マルティン・ハイデッガーは、ハンマが壊れるまではハンマを「見る」ことができないと言う。もし、そのような現前への欲望が私たちを麻痺させる罠であり、現実の正確な再現が没入感をもたらすという感覚が欺瞞だったらどうだろうか。その意味で、アン・テウォンの作品「deep sea fish(深海魚)」はメディアという隠れていたモノを解き放つ。サングラスの皮には人の目の形象が描かれているが、前が塞がれているため、それを被った人の目は何も見ることができない。サングラスの前に描かれている目の形象は目前の事象を見ているものの、サングラスの裏にある目には何も見えない。しかし、より正確に言えば、サングラスの裏にある目も何かを見てはいる。ただそれは、サングラスの前に広がれている風景ではないだけなのだ。その目に映っているのは何だろうか。サングラスを介して見てきた光景が遮断されることで初めて、私はサングラスを見るのだろうか。その目が見ているモノはもはや「サングラス」でさえないかもしれない。


アン・テウォンの作品は、スキャンアプリやAIツールを積極的に導入することで、現実のモノたちを歪曲するイメージを生み出す。現実の人物をアプリでスキャンし、AIプロンプトを用いて対象の境界や背景を歪み、そこに何らかの要素を加えることでそれを編集かつ変形する。不穏で不快でさえ感じられるイメージは、その場に不在していたものを晒す。それは、現実の再現だと考えていたイメージの歪曲それ自体、再現に対する否定である。編集プロセスを経て完成されたイメージは、対象を指す同時に指さず、対象を再現する同時に再現しない。現実のモノたちのカリカチュアを作ることで、逆説的に、覆い隠されていたモノたちを解放するアン・テウォンの作品は、私が今まで「現実」と呼んできたもの自体に問いかける。

BIOGRAPHY

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Ahn Taewon (アン・テウォン) 

https://www.instagram.com/ppuri_


アン・テウォン(1993年生まれ)は、感覚を通して表現を探求しています。彼は現代テクノロジーの広範な搾取的側面に敏感に反応し、コントロールの喪失を感じる中で、仮想と現実を区別なく物理的に扱う方法を学びます。アンは主に絵画と彫刻を通してイメージを創造します。彼の内なる創造的な衝動は、与えられた環境や偶然の発見、放置されたままの未使用の物、予期せぬ状況との出会いから生まれ、仲間的なコミュニケーション関係を形成します。多くの人に親しまれているように、彼はしばしば心理的に親しい対象、例えば彼の猫との近さ、Instagramに投稿された時間の断片、記憶の中の曖昧な顔などを思い出します。彼の作品制作へのアプローチは、これらの瞬間を記憶し、時にはそれを不朽にしようとする試みです。彼は中央大学で西洋画を専攻しました。最近の展覧会には、2024年の「PPURI」(P21)、2024年の「Condo London」(Project Native Informant)、2023年の「Liminal Room」(Plan X Gallery)、2022年の「Postmodern Children」(釜山現代美術館)などがあります。

VIEW ARTWORKS

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©Ahn Taewon 

DIESEL × Ahn Taewon

「deep sea fish」展の開催を記念して、ディーゼルとアン・テウォンのコラボレーションによるTシャツが登場。

カラー: 白/黒
サイズ: XS / S / M / L / XL / XXL
発売日: 2025年1月25日(土)
価格: ¥15,400(税込)
取扱店舗: DIESEL SHIBUYA、DIESEL 公式オンラインストア

*画像はイメージです。実際の商品とはデザイン・仕様が一部異なる場合がございます。
*発売日が変更となる場合があります。最新情報は公式サイトまたはXをご確認ください。

EXHIBITION GOODS

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展覧会のために作られた限定ポストカードセットを、店頭とオンラインで販売中。

ONLINE STORE

CURATION

CON_

https://www.contokyo.com

https://www.instagram.com/con_tokyo_


2022年4月、東京・日本橋馬喰町で開廊。ビジュアリティとコンセプトの両立を軸にコンテンポラリーアートをはじめとしたさまざまな表現文化を横断するプログラムを展開している。東京の都市文化を再考と実践するなかで、コンテンポラリーアートに限らず、音楽をはじめとする表現活動を有機的なムーブメントとして捉え直すことをビジョンとして掲げ、アーティストとの対話やリサーチから生まれたプログラムを企画することで、同時代性から生まれる新しい文脈の構築を継続的に行っている。

INFORMATION

タイトル: deep sea fish

アーティスト: Ahn Taewon

会期: 2025年1月25日(土)- 4月16日(水)

会場: DIESEL ART GALLERY

住所: 東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti DIESEL SHIBUYA B1F

TEL: 03-6427-5955

開館時間: 11:30-20:00

入場料: 無料

キュレーター: CON_

デザイン: Heijiro Yagi - IG: @heijiroyagi

テキスト: Eisaku Sakai - IG: @practice_00_

Online Store: https://dieselartgallery.stores.jp

Instagram: https://www.instagram.com/dieselartgallery

X: https://x.com/dieselart

展覧会ハッシュタグ: #ahntaewon #dieselartgallery

INSTALLATION IMAGES

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Photo: Daiki Tajiri

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