--まずはじめに自己紹介をお願いします。
メイクアップアーティスト、ロンドンをベースに世界中を飛び回っています。
--メイクアップアーティストになったきっかけは?
高校卒業後 上京し、美容師としてサロンで働き始めました。6年程務めた後 憧れのロンドンに渡りVidal Sassoonで3ヶ月のコース終了後にIsligtonにあるサロンで3年程働いていました。ちょうどその頃に新人写真家たちと知り合って彼らのテスト撮影にヘアとして参加し始めました。そういう撮影では特に誰もメークをやっていなかったので見よう見まねで始めたのが最初です。今はもうヘアに触る事もなくなりましたね。
--DIESEL ART GALLERY “MAKE UP” AYAMI NISHIMURA by RANKIN展について教えてください。
初めての写真集出版です、この本のテーマは’Cyber’, 2年半かけた傑作集はかなりの自信作です。カラフルでパワフル、今までにない新鮮で突飛なアイデアを充分楽しんで頂けると思います、皆さんを私と一緒にfantasy worldへお連れします。
--UKを代表するフォトグラフファーRANKINと知り合ったきっかけは? また、どのような人物ですか?
確か2005年だったと思いますがRankinが自身の雑誌であるDazed & Confusedで私が担当した4ページのBeauty撮影を見てものすごく気に入って‘一緒に撮影しよう’と声をかけてくれました。それ以来、いろんな事を一緒にやってきました。本物のワーカホリックでいつも撮影をしているかそのためにどこかに移動中かどちらかです。自分の仕事にとても情熱的でエネルギッシュ、そしてものすごく面白い人で結構ジョークもどぎついんですけどいつも大笑いです。すごく頭がいいんですね きっと。
--“MAKE UP”の作品が出来上がるまでの流れを教えてください。
Rankin はMakeup Artist Alex Boxと一緒に最初のBeauty写真集を出しています、シリーズにしたいと言って第2冊目をやってみないかと聞かれ、早速撮影にとりかかりました。お互い多忙なスケジュールの合間を縫っての撮影だったので結局丸2年かかりました、その後リタッチ、レイアウト、印刷などに6ヶ月程かかったので合計2年半で完成しました。撮影では私がまずやってみたいアイデアを練って自宅で実際アシスタントにメイクしてデザインをほぼ明確にし、Rankinにメールで説明してから当日に臨みました。いつもRankinはアイデアが気に入ってノリノリでしたね。
--展示作品の「Swash Camouflage」には注目のデザインユニットSwash Londonのテキスタイルを用いられていますが、他のアーティストとのコラボレーションはご自身のクリエイションに何をもたらしますか?
この本では何人かヘアドレッサーにも参加してもらっていますがそれ以上にセット/プロップデザイナーを起用しています。面白いと思ったからです。他のfieldの人達を巻き込んでアイデアを説明し彼らの意見も取り入れながらの作業はすごく楽しくて思い付かなかったアイデアがまた浮かんだりします。参加しているartistは全て普段から親しくしている友人ばかりです。
--これまで手掛けた作品の中で、最も気に入っている作品を教えて下さい。
表紙に起用した’Alien’です。
--尊敬するアーティストを教えてください。
ピカソ、セルジュ・ルタンス、アーヴィング・ペン、ヘルムート・ニュートン、アヴェドン、マドンナ。
--インスピレーションの源はどこから?
もう長い事普段からいろいろなリサーチをしています、映画もよく観ますしよく出かけていろんな人と話して刺激を受けるのが1番です。
--拠点がUKであることが仕事にどのように影響しますか?
才能のある人は必ず認められてチャンスを与えられる所だと思います。クリエイティブな人が確かに多く、かっこよくていい雑誌や写真家、デザイナーが多い。日常生活全般においては日本よりもかなり不便で質の悪いサービスに腹を立てる事も多く日々戦っていますがそれも良いかなと思います。
--オリジナル作品と、仕事として依頼されるコマーシャルな作品には表現や考え方に違いはありますか?
コマーシャルな仕事ではチームの一員として写真家、スタイリストそしてクライアントと話し合って何を求められているのかよく把握しなければいけません。自分のこの本の撮影においては何の制限もなくシーズン、広告主なども気にする必要もなく私がやりたかった事を思い存分に表現しています。
--メイクアップアーティストとして心がけている点は?
自分らしいスタイルを確率して心がける事と毎日それぞれの仕事を楽しくこなして行く事。
--数多くのアーティストのメイクも担当されていますが、一番印象に残ったお仕事を教えてください?
今年の始めにM.I.Aの ‘Bad Girls’のビデオクリップの撮影でモロッコに一緒に行きましたが彼女のシンガーとして、リーダーとしての態度に感心しました。妥協せず、ある程度それぞれの役割のスタッフに任せながら楽しく仕事するのは頭のいいやり方だなと思いました。
--UKを含むヨーロッパのメイクやファッションのカルチャーと日本のカルチャーとは一番大きな違いをどこに感じますか? また、日本で培った感性がヨーロッパではどのように作用していますか?
私は東京のストリートファッションが大好きで代表的なものでは70年代から竹の子族、ガングロ、ゴシックロリータ、コスプレなどがありますがとても奇抜で楽しい、他では見られないカルチャーだと思います。全般的に日本ではみんなメイクをして髪型に気を使い小綺麗にしていると思います。ヨーロッパ人はスタイルが良くて雰囲気のある人が多いけどさほどファッショナブルとは思えません。私は日本人ですが19年ロンドンで過ごして両方のカルチャーをよく知っていて理解している、得な立場にいると思います。
--海外で活躍するメイクアップアーティストとして憧れの存在ですが、これから目指される方々にアドバイスをお願いします。
何をやりたいのかどうやって時間を過ごすのかよく知った上でやりたい事をとりあえずいろいろとやってみると良いと思います。日本の若い人はシャイで真剣な人が多いようですがもう少し遊びながら、楽しくやるといいでしょう。グループに凝り固まらないで一人でいろいろやってみるといいでしょう。
--今後のプロジェクトについて教えて下さい。
将来は自分のメークアップラインを持って色や質感を追求してみたい。Anti ageing productsや美容整形にもとても興味があります。今現在はニューヨーク発の’MAKE’というブランドの開発に関わっていてもうすぐローンチの予定です。
--将来的に日本でやってみたいことはありますか?
日本で化粧品開発をして自分のラインを持ちたい。
--これから“MAKE UP” AYAMI NISHIMURA by RANKIN展を鑑賞する人々にメッセージをお願いします。
お楽しみ下さい、きっと私のメッセージが届いて魔法にかかった様に元気が出るはずです。