― 自己紹介をお願いします。
僕はカメラマンであり、かつてはパンクロッカー。今はいろいろなことの境界を越えたファッションビジュアルアーティスト。
― 本展の見所を教えてください。
今回の展覧会では僕のスタイルがはっきりとわかるように、この8年間の中での優れた作品をセルフセレクトして構築しました。それは世界中でも通じるスタイルだと思う!中でも一番いいのは最新作品「REAL FAKE」シリーズが見られること。
― 制作過程などについて教えてください。
それぞれの作品の撮影はもの凄く大変で、大勢のスタッフによる沢山のステップが必要でした。だからこそ、一枚一枚は全員の結晶とも言えるし、その過程は楽しさと挑戦で溢れています。とくに制作費の問題がよく発生し、最終的にはアナログなやりかたで解決することが多かった。今回の「REAL FAKE」シリーズは、助手が未完成の作品を間違って日本に郵送してしまったので、東京に道具を全部持ってきて、展覧会のオープニングの前日にようやくホテルで完成しました。そのプロセス自体も創作テーマにかなりぴったりあっていて面白い経験になりましたよ。ははは。
― 今回キュレーションを担当した米原氏はご自身にとってどういった存在ですか?
よねちゃんは僕の伯楽だね。僕の能力を見抜き引き出してくれる。お互いの言葉が違っても、僕の魂は彼が僕のことをわかってるって知ってるよ!
― ハードコアパンクのバンドを結成されるなどミュージックシーンでも活躍されていますが、アートワークにどのような影響を与えていますか?
ロックやパンクミュージックは僕に自由な心をくれました。創作に限界は無いとわかったし、大胆に挑戦するマインドも得ました。というのも、初期の中国パンクミュージックはすごくアンダーグラウンドだったから、それでオリジナルのアティチュードを磨いたし、それらが僕の人生に深く影響したんだ…。
― 雑誌《Rolling Stone》のアートディレクターを経験後、美術雑誌《O’ZINE-符号》を創刊し編集長とアートディレクターを兼任されていますが、苦労された点や新たな発見などありましたら教えてください。
雑誌《Rolling Stone》で仕事していた時にヨーロッパの作品をたくさん目にしたことをきっかけに、写真を撮りたくなりました。その後、僕が始めた雑誌《O’ZINE-符号》でもビジュアルアートをメインとしてやってきました。この二つの雑誌の仕事が僕の世界を広げてくれ、世界中の芸術写真に触れられたことが僕の制作の礎になりました。でも僕はビジネスマンにはむいていなかったようで、《O’ZINE-符号》はしばらくして休刊になってしまいました。
― 現在の中国のファッションやカルチャーシーンについて教えてください。
今の中国の発展は予想以上だと思っています。どこかに出張に行って北京に戻ると、知らない道ができたりとかしてね。発展のスピードはとんでもない。だから今ファッションやカルチャーに感じるスピードと能力も想像以上で、自由な心をもつ若者も増えて来ているし、想像力と創造力で自分の夢を実現しようと必死になっているのが伝わってくるんだ。カルチャーの根本的なことを理解できていない場合もあるけど、その情熱と追求する心が大事。とくに現代中国の音楽とファッションカルチャーはすでに世界の先端にいる。本当に中国のカルチャーシーンをもっと世界中の人々に知ってほしいと思っています。
― これまでご自身で手がけてきた作品の中で、最も印象に残っている作品はなんですか?
自分の作品は4つの段階があって、この4つではっきりと区切られていると思います。 01.「五星招待所」は初めてのヴィジュアルアート作品で、ブラックユーモアのスタイル。 02.「伙锅」(HOTPOT)はまたブラックユーモアとファッションカルチャーとの合体感。 三番目「情人的皮囊」は総合的にいろいろなテクニックを使った作品。 四番目「REAL FAKE」はいままで僕のアートのスタイルをすべて融合させた、もっとも最高な表現です。
― インスピレーションの源は?
全てのインスピレーションは自分が生活している中国、高速発展しているうちにそれらに対して発生する問題や事件などからインスピレーションを貰っています。
― 影響を受けたアーティストや映画などありましたら教えてください。
最初に影響を受けたのは、シュルレアリスムアーティストSalvador Dali、ポップアーティストAndy Warhol、イタリア人アーティストAmedeo Modigliani。あとフォトグラファーのGUY BOURDIN、映画監督のDavid Lachapelle、Quentin Tarantinoも僕に多大な影響を与えました。
― オフはどのように過ごされていますか?
旅行だね。
― 東京滞在はいかがでしたか? 何か発見はありましたか?
東京は楽しかったよ。自分のメディア「 CHANNELCHI 」にも「東京」をテーマに撮影した動画を載せていて、面白い若者カルチャーとファッション文化を紹介しています。
― 今後のプロジェクトについて教えてください。
今年4月に北京で開催する予定の展覧会の準備を進めていて、新しいアートワークも制作中です。僕が監督する映画も撮っていて、沢山の困難を乗り越えながら進行しています。近日中には完成させたいと思っているよ。
― これから作品を鑑賞する人々に向けてメッセージをお願いします。
この展覧会は僕の創作スタイルがわかるだけじゃなくて、まさに別の大きなドアから中国に入ったように気分になると思う。 ここは自由な中国、騒動ばっかりの中国! 決まってる生き方をそのまま歩んでるんじゃないぜ! ――COME ON !!! “BE A BASTARD”!!!
Photo: Norihisa Kimura