エクストリーム

AR画像コア

梅沢 和木
AUG 23, 2013 – NOV 15, 2013
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新進気鋭の美術作家、梅沢和木によるエキシビション

「エクストリームAR画像コア」を開催いたします。

膨大な数のビビッドなキャラクターモチーフをコラージュにより再構成する梅沢の作品は、統一されたRGBの色彩で満たされ、その中からはもはやキャラクター達の原型を辿ることは困難です。しかし、そこに埋め込まれたデータの破片は平均化され、彼の手によって再構成されることで私達に新たな展開を見せてくれます。

本展覧会では、「AR」(拡張現実)という最新技術を用いた様々な表現の第一線で活躍し、エンジニアの枠を越え数々のアーティストとのコラボレーションでも知られるAR三兄弟を開発に迎え、新作多数にて構成いたします。

「AR」が埋め込まれた作品を、端末を通して鑑賞することにより、梅沢の手によって現実世界に出現させられたキャラクターモチーフ達が今一度モニターの中に回帰し、「絵画」の枠を超えた新たな仮想世界と現実世界の交差を表現いたします。

 

会期中DIESEL ART GALLERYでは、展示作品のほかポスターなどの販売を予定しています。

新進気鋭の美術作家、梅沢和木によるエキシビション「エクストリームAR画像コア」を開催いたします。



膨大な数のビビッドなキャラクターモチーフをコラージュにより再構成する梅沢の作品は、統一されたRGBの色彩で満たされ、その中からはもはやキャラクター達の原型を辿ることは困難です。しかし、そこに埋め込まれたデータの破片は平均化され、彼の手によって再構成されることで私達に新たな展開を見せてくれます。

本展覧会では、「AR」(拡張現実)という最新技術を用いた様々な表現の第一線で活躍し、エンジニアの枠を越え数々のアーティストとのコラボレーションでも知られるAR三兄弟を開発に迎え、新作多数にて構成いたします。

「AR」が埋め込まれた作品を、端末を通して鑑賞することにより、梅沢の手によって現実世界に出現させられたキャラクターモチーフ達が今一度モニターの中に回帰し、「絵画」の枠を超えた新たな仮想世界と現実世界の交差を表現いたします。


会期中DIESEL ART GALLERYでは、展示作品のほかポスターなどの販売を予定しています。

BIOGRAPHY

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梅沢 和木 (ウメザワ・カズキ)

https://www.umelabo.info/

https://www.instagram.com/umelabo/


1985年生まれ。

武蔵野美術大学映像学科卒業。

美術家。

インターネット上に散らばる画像を集め再構築し、圧倒的な情報量に対峙するときの感覚をカオス的な画面で表現する作品を制作し、発表している。

CASHI及びカオス*ラウンジに所属。

主な展示に「LOVE展:アートにみる愛のかたち」(2013年 森美術館)、「特別展 手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」(2013年 東京都現代美術館)、「大地と水と無主物コア」(2012年 CASHI)、「カオス*ラウンジ2010 in 日比谷」(2010年 高橋コレクション日比谷)、等。

VIEW ARTWORKS

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© KAZUKI UMEZAWA

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© KAZUKI UMEZAWA

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© KAZUKI UMEZAWA

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© KAZUKI UMEZAWA

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© KAZUKI UMEZAWA

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© KAZUKI UMEZAWA

タイトル: エクストリームAR画像コア

アーティスト: 梅沢 和木 (ウメザワ・カズキ)

開発: AR三兄弟

会期: 2013年8月23日(金) - 2013年11月15日(金)

会場: DIESEL ART GALLERY

住所: 東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1F

電話番号: 03-6427-5955

開館時間: 11:30 - 21:00

休館日: 不定休

キュレーション: 松島英理香 / CASHI

協賛・協力:

CASHI

GraphersRock

株式会社プレーン

AR三兄弟 

http://alternativedesign.jp/


プログラム言語で扱えたり扱えなかったりする題材を、独自の製法で掛け合わ せることで、メディアの可能性を拡張し続ける開発ユニット。最新作は、真心ブ ラザーズMV『消えない絵』、コカ・コーラ『自販機AR』、BUMP OF CHICKEN『 BOC-AR』、劇団四季『拡張現実ミュージカル』。

INSTALLATION IMAGES

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Photo: Shintaro Yamanaka

KAZUKI UMEZAWA SPECIAL INTERVIEW

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--はじめに、自己紹介をお願いします。

インターネット上の画像を使って、画像や絵を作っています。デジタルで発表するときもあれば、デジタルにアナログ的作業を加えて美術の場で発表する時もあります。


--今回の展覧会のコンセプトを教えてください。

ARを用いて、今まで自分の技術だけでは出来なかった世界の見せ方を作品で表現することが目的としてあります。提示するのは自分の作業工程であり、作品内のレイヤー構造であり、脳内の思考とも言えるかもしれません。絵画という表現形式だからこそ見える表層と、ARを用いないと見せられない構造を対比させて空間内に展開させることで、新たな次元を鑑賞者に体感してもらうことがコンセプトとなります。


--AR技術を用いた新作「すべてを含むAR画像コア」の制作のきっかけや、AR三兄弟さんとのコラボレーションの経緯、完成後の感想など教えてください。

AR三兄弟さんとコラボレーションの経緯は、福島第一原発観光地化計画のコアメンバー達で南相馬へ取材に行った時に、川田さんと出会ったのが直接のきっかけです。そこで川田さんが行った今まで作ってきたAR作品のプレゼンテーションを見て、なんとか自分の作品に生かせないかと考えました。川田さんといくつかお話をし、2.5Dで講義イベントを行うなどを経て、今回の個展で一緒に作品を作らせていただくことになりました。

「すべてを含むAR画像コア」は、完成に至るまでにいくつかの段階がありました。作家の脳内を全て体感してもらうのではなく、ある程度そぎ落として的確に映像の流れの中で画像の分解と再構築を体感してもらう形に行きつけたのは、自分の中でとても収穫でした。完成したものを操作する中で、AR作品ならではの「質感」を感じました。映像やデジタルは触って確かめるものではなく、見て認識して感じるものなので、「質感」は直接的には存在していません。しかし、脳内の記憶の中から何かを触った質感を思い出し、映像から質感を感じることはできます。ARで映しだされたタブレット内の映像は、その向こうに実物があるので、虚構性を普通の映像よりも強く感じることができます。タブレットを横にずらせば映像は消失してしまいます。そういったはかなさが非常にデジタル然としており、自分が作品を作る時に追い求めているデジタルの質感にリンクしました。この感覚は是非次の作品に生かしていきたいです。


--コラージュと手描きによる他に類を見ない作風のアートワークは、どのような流れで制作していますか? 例えば、最初に完成イメージがありきか、それとも作業しながら見えてくるのでしょうか?

ネットを見ていく流れの中でイメージが確定するときもあれば、Photoshopに空白のファイルを作って、その上にぽんと画像を置いてそこから画像をどんどん蓄積させて絵が出来ていく時もあります。完成形を最初に作ることは少ないです。インスピレーションを受けた画像から始まることが多いです。アナログの鉛筆の小さなスケッチから出来ていくこともあります。


--インスピレーションはいつどんなときに生まれることが多いですか?

とてつもなく何かに感動した時に、この感動や情熱を失いたくない何か形にして残したい、と強く思います。明確な形でのインスピレーションはこういう時です。何十、何百時間と時間を共有した上で物語を読ませるようなゲームから感動を得ることがよくあります。中学生や高校生の頃は、そういった感動に蝕まれてどうにかなってしまいそうな自分がいて、しかししっかりと何かを作ることもできず、悶々としていました。その時に育まれた感性を今になって作品に生かしているような気がします。

強烈な感動以外にも、日常の中でネットを見続けてふとした瞬間に眼に入ってくる画像がきっかけになることが多いです。気になった画像を保存しておいて、それをPhotoshopかあるいは脳内で再構築してイメージを作っていきます。


--インターネットに膨大な時間を費やしていると噂に聞きましたが、毎日かかさずチェックしているウェブサイトやオススメのアプリなどありますか?

一般的に多くの人も使っている『Twitter』、『Facebook』、『はてなブックマーク関連』、『tumblr』、たまにフィードを使ったりもします。あと『ニコニコ動画』、『2ch』のVIPや音ゲスレ、『やらおん!』や『まとめろぐ』などのまとめサイト、あとまとめサイトまとめの『オワタあんてな』などを見たりします。まわりの友人や絵師のサイトや掲示板なども見たりします。『gifpumper』というすごい面白いサイトがあるのですが、わけわからなくて結局あまり見ていません。

アプリはインスタグラムを地味にやっています。スケッチなどを載せていますね。スカイプがかなり重要な連絡ツールになっています。『Dropbox』も今や必須ですね。『Facebookの『Pokeもよく友人とやっていますね。ゲームアプリの『Super Hexagon』を長く細くやりこんでいます。『Cookie Clicker』のアプリも指の運動になって楽しいのでけっこうやっています。『なめこ』アプリも始まった時から延々とやっていますね。『天極牌』という麻雀アプリもやっています。『クックパッド』も便利ですね。『音泉』アプリも作業中によく聴いています。


--ご自身もTwitterを使われていたりしますが、梅沢さんにとってのソーシャルネットワーキングとは何ですか?

ちょっと前までは適当なことを言っても許される、おもしろ実験場みたいな所でした。今は全然そんな空気ではないですね。社会や人間関係と深く結びついた便利なツールといった所でしょうか。もっと工夫次第では誰もが思いつかなかったようなとんでもないことが出来るのでしょうけど、今はSNSは第二の社会だなあと淡々と思います。それは単に実名でやっているからなのかもしれませんが、匿名でしかネットの醍醐味が味わえないような状況は変わっていくのだろうなあと漠然と思っています。


--現在の日本のアートシーンについてどう思いますか?

よく言われていることではありますが、作家が追い求める自らの美学と、現実的に作家の周りを取り巻く実情や環境を結びつけた言説が少ないという問題があります。言い換えると、良い作品を作っている作家は目立たなくてもたくさんいるけど、その人達がしっかりと継続的に制作を続けられる仕組みを作ったり、海外へ進出していくためのステップを踏むための助けなどがなさすぎて、作家はほとんど何もわからず、ただ自分の世界を求めるのみに徹し、どんどん内輪になって行ってしまうという問題です。当然、アートで生活出来ている人なんてほとんど居ません。それぞれの内輪のコミュニティが島宇宙のように偏在している状況を一気に打開するような何かが10年以上求められていてしかし出てきていない、そんな状況だと思います。自分がそういった問題に何か太刀打ち出来ているかと言うと全然できていないので、もっと頑張らねばと思います。


--尊敬するアーティストは?

よく聞かれる質問なのですが、「これ!」と明確にあげられる人がなかなか居ません。しいて言うなら、新宿の美術予備校に通った時に、映像科の課題でかなり多くの事を学びました。物の見方、考えの伝え方の基礎の部分です。だからあげるとしたら森田先生や志村先生になります。デッサンでなかなかその部分がピンとこなかったぶん、感覚テストと小論文には本当にお世話になりました。作品を作って世に発表するということは、考えを誰かに伝えることの発展系だと思っているので、その基礎の部分のトレーニングはもっと共有されてしかるべきだと思います。

アーティストではありませんが、現在一緒に仕事をさせてもらっている東浩紀さんのやっていることはほとんどアーティストのような活動だと思っています。現在の日本の社会に明確にメッセージを打ち出す意識をもっと多くのアーティストが持つといいなと思います。

加えて、ニコニコ動画で生成されていく大量のカオスなイメージにかなり影響されました。作り手と受け手が文字通り一体となって画面上に埋め尽くされるあの感じは、世界で日本しか作れなかった唯一無二の何かだと思います。


--最近お気に入りの映画や音楽、アニメは?

お気に入りの映画は特にありません。

『ダンガンロンパ』というアニメとその原作のゲームと続編がとてもおもしろかったです。バトルロワイヤルと逆転裁判と足したような内容で、キャラが濃く、とても楽しめました。いわゆるセカイ系と呼んでいい設定と人の死に方や殺す理由がぶっとんだ展開なので好みが分かれると思います。玄人なオタクに批判される反面、中高生などの若いゆるくオタクな子達に人気だったりするのがポイントで、これから享受されていくオタク文化の方向性の一端を知った気になれます。

音楽を担当している高田雅史さんは『beatmaniaⅡDX』というゲームにも楽曲を提供している方で、ゲームとアニメは同じ曲が使われている割合が多いので、サントラもとても楽しめました。ゲームのBGMというのは基本的にプレイに支障をもたらさないように考えて作られているので、何か作業をしたり作品を作ったりする時にきく音としてかなり適しています。


--時代とともに変貌するオタクカルチャーの現在について梅沢さんの考えを教えてください。

オタクという言葉はそれが生まれた当初に比べると随分印象が変わったと聞きます。第一世代オタクと呼ばれたようなマニアックで男性中心で排他的なオタクというのは今や一部の存在でしょう。2013年の現在は広い意味で言うなら例えばごく普通の中学生がコンビニで流れているボカロ曲に心を惹かれスマフォでその情報を調べ、そのボカロが歌う曲を歌う歌い手のニコ生を見たり、そのことをクラスで話したりする、そういうことが日常としてあるとして、彼ら彼女らをオタクと定義するにはあまりにも幅広く、無自覚でしょう。そうやって広く浅く、ある意味ファッション的にオタク文化が広まっていることは良いことでもありますが、本来のコアなオタクの文化がどんどんアンダーグランド、マイノリティになっていってしまうことでもあります。一口にオタクカルチャーと言ってもその中には立ち位置や深さの異なる様々な文化がないまぜになっているので、それらを繋げるような働きがこれから求められるのではないかと思います。


--所属しているカオス*ラウンジや、その活動について教えてください。

カオス*ラウンジはネットの絵師達のSNSの繋がりがそのまま現実の空間にインストールするされるようなお絵かきオフから、日本の現在を可視化させるような展示やプロジェクトまで色々進めてきました。過激な事もやってきたので批判も多いカオス*ラウンジですが、基本的にはアートが現在体現すべきイメージを率先して表現し、これからもしていくのだと思います。具体的には12月に久しぶりに大きめの展示があるので、出品する自分も楽しみにしています。


--将来的に挑戦したいことは?また今後、予定されているプロジェクトはありますか?

ゲームを作ったり漫画を描いたりというのはちゃんといつかやってみたいですね。エクストリームAR画像コアで作った作品のようなことは継続して続けていきたいです。音ゲーを本格的にやり込めたら嬉しいですが、時間がないでしょうね。

ファッションブランドのchlomaさんと来年に幾つか一緒にやる展示がある予定です。先述した通り、12月にカオス*ラウンジの展示があります。


--これから作品を鑑賞する人々にメッセージをお願いします。

何も知らずに観てくれた人に、もっと知ってほしいと思います。 色々知って観てくれた人には、まっさらな状態で鑑賞してほしいですね。

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