-- 自己紹介をお願いします。
大竹彩子と申します。
1988年生まれです。絵と写真を中心に制作しています。
-- “COSMOS DISCO”のコンセプトはどのようにして生まれましたか?
普段からスケッチブックとカメラを使って、日常から自分のアンテナにひっかかるイメージを常に探し採集しています。
面白いものが無限に隠れている世界(COSMOS)から自分が面白いと思うものをどれだけ発見(DISCO/VERY)できるのかという意味を込めています。
”COSMOS DISCO”は今まで私が日常から発見し採集してきたものの集合体と言えます。
-- 本展の見所を教えてください。
ドローイング3点以外は全て新作です。
過去の展示では、写真作品と鉛筆を使ったモノクロのドローイングが中心でしたが、今回は初めてカラーを使用しキャンバス画を発表しました。
複数のイメージを組み合わせた写真作品も新しい試みでした。
-- カラーのペインティング作品は初挑戦とのことですが制作してみていかがでしたか?
色の組み合わせ次第で世界が変わるので、難しい点もありますが、
鉛筆とは又違った表現ができて制作の幅が広がりました。
-- 作品に女性が多く登場する理由や、瞳を描かない意図について教えてください。
ロンドン滞在時に、初めて体験したふくよかな女性のライフドローイング(クロッキー)だったり、美術館での石像のスケッチを経て、女性の身体を描くことに興味を持ちました。
古本屋で見つけた女優のブロマイド写真やpin-up集を参考にすることがあります。彼女たちの美しい完璧な姿というよりも、造りもの感や不自然な部分に惹かれます。瞳を描かないのはその違和感を表現しているのかもしれません。
-- ペインティング、ドローイング、写真、コラージュと様々な技法で作品を制作されていますが、一貫した大竹さんらしい表現スタイルを感じます。何か意識している点などありますか?
自分が惹きつけられるものには、どこかちょっとした毒や違和感が隠れているような気がします。
自分もそういった好奇心を刺激するポイントを作品の中に作りたいと思っています。瞳を描かないのもここに通じるかもしれません。
-- 本展のイベント企画で開催したライブペインティングやトークイベントも初のトライでしたが、やってみていかがでしたか? また登壇者の大橋トリオ氏やサカグチコウヘイ氏とのトークのご感想もお聞かせください。
まずライブドローイングでは、緊張感の中で生まれる大胆な筆の動きによって、今まで慎重に描いてきた作品とは違った作品を仕上げることができ、新たな発見がありました。
トークイベントもライブドローイング同様緊張してしまいましたが、自分の言葉を直接自分の口から伝えるという貴重な経験でした。
-- 自然豊かな宇和島のご出身ですが、幼い頃はどのように過ごされていましたか?今の活動への影響はありますか?
自然の中を遊びまわったというよりも、家族で絵を描いたり映画をみたり、音楽を聴いたりした思い出が残っています。
家族と過ごした時間の中で感じていたこと、話したことは、今の制作の糧の一つでもあると思います。
-- インスピレーションの源は?
好奇心です。
-- 影響を受けたアーティストや音楽、映画などありましたら教えてください。
ロンドン滞在時、リサーチがてら訪れたギャラリーでふと出くわした女性のアーティストの作品にショックを受けました。しかも同い年でダブルパンチをくらいました。
日本人とは違う外国の方の独特な色彩感覚にはよく嫉妬します。
制作中よく聴くのは落語です。
幼い頃に観たディズニーのショートフィルムやヤンシュバイクマイエルのアリス、ペンギンカフェオーケストラのバレエの映像は脳内にこびりついています。
-- 写真の作品には国内外問わず様々な国で撮影されたシーンが盛り込まれていますが、一番印象的だった国はどこですか?
どの写真もその時の記憶を呼び起こしてくれますが、
アメリカのニューヨーク・ボストン・LAを回った時もいつもと同じようにシャッターを押し続けました。友人にいろいろなところへ連れてってもらい見返すのを楽しみにしていたのですが、帰ったロンドンでスリにまんまとやられカメラを紛失。そんな悔しいこともあり、アメリカはいつか必ずリベンジしたいなと思う国です。
-- オフの日はどのように過ごされていますか?
溜まった本を読んでいます。
-- 今後やってみたいことや、予定されているプロジェクトについて教えてください。
今回キャンバスに挑戦してみて、もっと大きな絵を描いてみたいと思いました。
色や描き方などいろいろと試したり、勉強したいと思っています。
-- これから作品を鑑賞する人々に向けてメッセージをお願いします。
私が発見してきたものの中に、皆さんが面白いと思う部分を発見するように観ていただけたらと思います。