ー川原さんは怪我されてから、いまではパラアスリートとして活躍されていますが、その道のりを考えるとものすごい精神力ですよね。
川原:怪我してから1、2ヵ月はどん底でした。だけど、泣いてるだけでは何も変わらない。それに気づいて自分で何かしないといけないと思って、できることを探して。だけど、怪我してからみんなどのようにそれを乗り越えたかという情報が少なくて、だったら自分でそれを発信するしかないなと思ったんです。もっと楽しく、お洒落できることを伝えて、同じ境遇のひとに希望を持ってもらえるようにしたいなって。
ーある意味ご自身の中で、その義足は自分自身を表現する上でエッセンシャルなものになっていますか?
川原:そうですね。ファッションが大好きで、ポジティブになれる要素だと思うんです。義足は障害者が使う道具というよりは、ファッションの一部という感覚で付けていて、これはぼくらにしかできないことですよね。みんながアクセサリーを付けたりとか、そういう気持ちで義足を捉えています。
ー「ディーゼル ライブラリー」を着てみてどうでしたか?
川原:実はうちの父親が昔、〈ディーゼル〉のデニムパンツを穿いていたんです。それを譲ってもらったりしていたので、自分にとっては格好いい大人のブランドという印象ですね。今回、久しぶりに穿かせてもらって、めちゃめちゃいいですね、これ。レングスが長くて、足元に溜まる感じがいいなって。股上も深くて、ハイウエストで穿いても丈が短くならないっていうのが、ぼくは好きです。
ー生産背景にも目を向けて、サステナブルなものづくりをしているんです。
川原:自分も極力同じ服を長く着たいと思っているし、ものを大切にしながら生活することを心がけています。環境問題とか、これからずっと目を向けないといけないことだし、〈ディーゼル〉のような大きなブランドがそうした取り組みをするって大事だと思いますね。